【かかりつけ薬剤師】一筋縄ではいかない服薬指導

私はAさん(80代、男性、独居)のかかりつけ薬剤師です。Aさんは通院ができるので在宅ではありません。残薬がありすぎて困っているということで、私が2週間に一度訪問してお薬カレンダーへのセットを行うことになりました(ヘルパーさんや訪問看護師さんは入ってません。)。約2週分のお薬をカレンダーに入れるのでポケットには以下のように2~3袋入っています。

患者様
 お薬カレンダーは私には使いにくい。1ポケットに2袋あると混乱するし、大きすぎる。
(ヘルパーさんやご家族の方が薬を渡してくれるわけではないので、確かに独居の方には難しいかも。。)では、コンパクトにファイルに貼り付たこれ(以下)を使いましょう。空は隣の箱に入れといてくださいね。

ファイルにセロテープで用法ごとに貼り付けます。飲むときは一つずつはがしていきます。そして空は別の箱に入れます。しばらくこれを使っていただくことにしました。

お薬カレンダーにセットして「はい、おしまい。」ではなく、患者様の状況をよく聞いて患者様一人一人に合わせた対応が必要と思いました。

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国際医用画像総合展2019に行ってきた。ここでもAIが。。

国際医用画像総合展2019に行ってきました。

ここでもAIを活用する事例が見られました。体験コーナーではAIを使っていかに診断が楽にできるかゲーム形式で見せてくれました。「ウォーリーを探せ」のようにいろいろな図形(〇や△)の中から☆印を探します。☆印が病巣というわけです。私は49秒かかりました。次に、☆印に目立つ赤丸が付けられ、同じようにいろいろな図形の中から☆印を見つけます。すると今度は12秒で探せました。後者がAIにアシストされた例で、AIを使うとこんなに時間が短縮されますという趣旨のゲームでした。

次にAIが組み込まれた画像診断ソフトを見学しました。

CT、MRI、レントゲンのいずれの画像も使えます(まだ市場にはでていないそうです。)

デモでは、肺のCT画像からAIが肺結節を見つける症例を説明をしてくれました。AIにより画像の何か所かに肺結節を疑う目立つ印がつけられます。確かに時間も短縮され見落としも減りそうです。そして、医師がこれを病巣と判断すればacceptボタンを押し、判断しなければignoreボタンを押して診断結果が完成です。

AIがアシストすると、診断時間が速く、簡単になり、仕事が減るイメージがありますが、最後に病巣とするかしないかは医師の判断であり、AIはアシストにしかならない。今のところ、AIがいくら発達しても最後は専門家か。というのが感想です。

(おまけ)

屋内の展示を一通り見た後、展示場の外に出るとレントゲン車のような車があり、そう思いきやCT車とMRI車でした。「CTは1分で測れますから」の説明に今やレントゲンと同じかとびっくり。「さすがにPET車はありませんよね」とお聞きしたところ、「アメリカにはあります。」とのこと。MRI車には1.5T(テスラ。エレキバンの数百倍~数千倍の磁力が常時発生しているとのこと。)の磁場が搭載されていました。

 

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皆さんが食事を3回するとは限りません-その1-

かかりつけ患者様Aさん(80代、男性、独居)に残薬の整理をしてほしいと依頼され訪問しました。定時薬を一包化してお渡ししているのですが、飲んだか飲まないか忘れてしまい、2回飲むと危ないのでその場合は捨てるとおっしゃっていました。以前来局された際にお薬カレンダーをお勧めしたことがありますが、お求めにはなられませんでした。今回、実際お薬をセットしてお見せしたところ、これは便利だということで使うことになりました。

Aさんは、朝食と昼食と兼用のブランチを午前10時半ごろ召し上がられます。そして足の老化を防ぐため、昼間は用事を入れて外出されます。だから昼食後のお薬は飲むタイミングを逃すことが多いそうです。このような方の場合、昼食後の薬をピルケースに入れたりして昼の一包分を持ち歩いても飲み忘れが多いのではないかと考えられます。Aさんの生活スタイルから昼食後の薬を飲むのは困難なので医師に昼食度を抜かすことを提案することにしました。

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お薬カレンダーへのセットは整理整頓が大事!

訪問薬剤は限られた時間でお薬カレンダーにセット、服薬指導、残薬確認、病態確認、精算をします。時には訪問看護師さん、介護ヘルパーさんと時間がぶつかることもあります。お互いの仕事の邪魔にならないよう気を使いながらお薬のセットなどをします。そこでお薬カレンダーへのセットを早く間違えなくするために、弊社ではあらかじめ次のような準備をしています。

1.日付けを入れて分包。酸化マグネシウムなどは患者様の申し出があれば分包せずに一つ一つホッチキスで止めます。

2.用法ごとに朝食前、朝食後、昼食前、昼食後、夕食前、夕食後などに分包した後、朝食後は赤、昼食後は緑、夕食後は青でマーカーで印をつけます。

3.マーカーを付けた分包を用法ごとに7日分に分け、輪ゴムで十字にまとめます。

これだけ準備していても患者様のお宅で物があると、セット中思わぬ場所に薬が紛れ込むことがあります。調剤台同様、周辺の整理整頓が一番重要です。

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お薬カレンダーの薬の行き先は?

前回のつづき

ケアマネージャーさんに聞いてみました。

薬を捨ててしまう在宅患者様っていらっしゃいますか?
ケアマネ
いらっしゃいますよ。だから 服用したか忘れがちな在宅患者様の場合、ごみとして捨てていないか確認することは有用なんです。
(心の中) そういえば、コップの水を汲みに行けないほど具合が悪くなっていた患者様でもお薬カレンダーはいつも空っぽということがあったな。今度から「飲めなかったお薬はそのまま置いておいてください。」と言うようにしよう。そしてアドヒアランスが良好になるようにコミュニケーションをとっていこう。

参考文献:アドヒアランス、薬学辞典

アドヒアランスとは「患者は治療に従順であるべき」という患者像から脱し、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることを意味する。

 

上記の記載は経験に基づいたもので、患者様は架空の人物です。

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「薬がなければ患者様は服用している」は禁物

突然39度の熱が出た在宅患者様Aさん(80代、女性、独居)に緊急で3日分の風邪薬が処方されました。訪問時に薬を飲んでいただき、机の上に風邪薬を3日分セットして薬局に戻りました。次の日のこと。

訪問看護師さん
 薬剤師さん、風邪薬が机の上になかったんだけど。。。
昨日セットしたはずですが。(心の中)なんでないんだろう。。

結局、その次の日看護師さんが訪問した際にみつけました。

訪問看護師さん
 お薬、ゴミ箱に捨ててありました。今後、お薬カレンダーに定時薬と一緒に入れてください。

看護師さんは過去の経験からゴミ箱を確認されたのです。

(心の中)何かに紛れて捨ててしまったのだろう。今回は訪問看護師さんが教えてくれたが、私は「薬がなくなっていれば患者様は服薬コンプライアンスを遵守している。」という思い込みをしていた。反省。。

4月2日、厚生労働省から「調剤業務のあり方」についての通知が出されました。今後、介護ヘルパーさんがお薬をセットする機会が増えると思われます。介護保険では、薬剤師は月に4回しか訪問できず、服薬コンプライアンスの確認が十分にできない場合があります。今回の例を忘れずに、①たとえご本人が机の上に薬を置くことを希望されてもお薬カレンダーを活用する。②ヘルパーさんや訪問看護師さんに間違ってお薬を捨てられていないかなどコンプライアンスを確認してもらう。など他業種と連絡を取り合い連携していきたいと思います。

なお、上記の記載は経験に基づいたもので、患者様は架空の人物です。

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【在宅】どうやって病気って確定するの?ー鑑別診断という考え方ー

前回紹介した、歩行困難なウェルニッケ脳症の疑いの患者様,パーキンソン病が疑われた患者様の続き。どうやって医師は病気を確定していくのだろうか。その患者様との会話の続き。

患者様
 足が動かしづらくなった時、整形や脳外科などいろいろな科で検査を行いました。医師はいろいろ検査を行い、原因を突き止めていくのですか?
例えば今回の場合、足が動かしづらくなった時、医師はこの「歩行困難」という症状と既往歴を見ながら、

1.  アルコール依存症によるウェルニッケ・コルサノコフ症候群

2. 脳梗塞

3. パーキンソン病

4. 脊髄の病気

5. その他の疾患

の可能性を考えます。そして、それぞれの病態を診断する検査を行っていきます。検査が肯定的なものであれば、その疾患の可能性は高まりますが、必ずしも肯定的な結果を期待しているわけではないそうです。例えば、前回のスペクトの検査でパーキンソン病の可能性は否定的となりました。考えられる疾患が5つしかない場合、4つ否定できれば、ほぼ残った疾患が原因疾患であるといえます。このように、可能性のある疾患を一つ一つ否定し、症状を引き起こす可能性となる原因疾患を突き止めていくやり方を鑑別診断注1 というのだそうです。

患者様
鑑別疾患。なるほど。歩行困難の原因がわからず落ち込んでいました。でも今までに受診した検査でどういう可能性が減ったのかわかってきました。パーキンソン病では「ない」というのは確かに安心できますね
(・・・・・心の中)

今回の患者様はMRI検査で脳の萎縮、脳梗塞、SPECT検査でパーキンソンの可能性が否定された。原因となる疾患の候補を絞り込んでいる、という医師の考え方はわかっていただけたようだ。。

でも、一つの検査をするにしても患者様にとっては大変なこと。担当医も、もうちょっと説明してくれるといいんだけど…。

注1:アルメディアケアによると鑑別診断とは、「症状を引き起こす疾患を絞り込むために行う診断。 症状が他の要因から起こっていることを否定し、疾患を正確に診断するために必要」とのことです。

なお、上記の記載は経験に基づいたもので、患者様は架空の人物です。

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高度管理医療機器等の販売業の申請をしました

糖尿病患者様から指先に刺す必要のない血糖測定システム「リブレ」の要望がありました。リブレは間質液中のグルコースを測定するもの。高度管理医療機器等の販売業の許可がないと販売できないので、申請をしたところ、薬局の実地検査が行われました。

申請書の項目以外に薬局の施設基準として確認された事項は以下の通りです。

1.毒薬の受払簿の確認(毒薬、筋弛緩薬“マスキュラックス静注用”の問題で受払簿が平成13年より制度化)

2.薬局間譲受時、譲渡時における台帳にロット番号、期限記載してあるか。手順書にその旨の記載が反映されているか(ハーボニーの問題により施行規則改正)。

3.薬局の掲示物(要指示医薬品などの記載があるか等)

 

 

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ヒエ、アワ、キビは高級食材?

健康志向が高まりヒエ、アワ、キビといった雑穀が注目されている。雑穀といえば岩手県。

自然環境にめぐまれず、冷夏で米の実りも悪く飢餓者が多く出る年もあった。あるところでは口減らしで60才になる老人を捨てた。しかし一方、石川啄木、宮沢賢治といった偉人を輩出。岩手の南部藩は水戸藩主徳川家斉3女明子姫が輿入れしたという家柄。しかし、明治時代、朝廷側は奥羽越列藩同盟(反維新政府同盟)に入ったことを黙殺できず盛岡のお城不来方城を跡かたもなく破壊した。この様子を腹立たしく胸に刻み目の当たりにした子供がいた。のちに首相になった平民宰相、原敬である。

現在は、ホテルのシェフが畑を視察するほど需要のある岩手が育んだ雑穀。いったい誰がヒエ、アワ、キビが高級食材になると想像しただろうか?さすがにおいしさといえばお米が一番だが雑穀はお腹にたまる。雑穀は生活習慣病の改善に一番である。

参考文献:愛の記憶 西山道子

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【在宅】脳の画像診断で何を見たの?

歩行困難なウェルニッケ脳症の疑いの患者様の続き

患者様
 先日、MRI検査を受けたところ、年相応の脳の萎縮という診断でした。次に、パーキンソン病が疑われ、アイソトープ検査をしました。その結果、ドパミンは正常に出ていると言われました。確かSPECTという検査でした。MRIとSPECTの違いを教えて下さい。
MRIは磁気を使って脳の形態をとらえる検査で、小さな病巣も発見できるそうです。それに対してSPECTはお薬を使い脳の血流をみることで細胞の働きを観察する検査です。脳の働きが活発なところと活発ではないところを見分けることができます。

(患者様)なるほど。では、SPECTでなぜドパミンが出ているのかわかるのですか。

(私)ドパミントランスポーターに親和性のある化合物にアイソトープを付けたお薬(123I-ioflupane)を体に入れます。そうすると、脳内のドパミントランスポーターが活発に働いているところにそのお薬がたまることを利用して、ドパミン細胞の数を間接的に見ていたのです。患者様の場合は脳のドパミン細胞の数は正常とのことでした。主治医の先生がおっしゃったとおり、歩行困難は脳の萎縮やパーキンソン病によるものではないと思われます。

(患者様)なるほど。検査をしても歩行困難の原因がわからず困惑していましたが、どういう可能性が減ったのかわかってきました。

参考文献:知っておきたい認知症の画像診断

なお、上記の記載は経験に基づいたもので、患者様は架空の人物です。

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