便秘の薬 その3(グーフィス飲み合わせ)

前回、グーフィスは扉(胆汁酸トランスポーター)を働かなくすると記しました。普段は図1のように胆汁酸は、小腸から門脈へいっていますが、グーフィスは、図2のようにトランスポーターを閉め、胆汁酸が門脈に行くことを阻害します。だから、胆石や肝疾患などで胆汁酸(ウルソデオキシコール酸)を服用している患者様はグーフィスを服用すると効きが悪くなることがあります(グーフィス錠添付文書「併用注意」の項参照)。つづく


 

 

 

 

便秘の薬 その2(新薬グーフィス)

新薬グーフィスは、便秘のお薬です。

しかし、グーフィスが直接便秘を治しているのではなく、「胆汁酸」の量を調節することで便秘を解消しているのです。すなわち、グーフィスが効いているのではなく胆汁酸が効いているのです。

胆汁酸という言葉をご存知ですか? 脂っこいものが食べられなくなった時に飲む一般薬ウルソ(胆汁酸製剤)は有名です。 胆汁酸は、食品中に含まれる脂肪の吸収を助けるための物質で、胆液に含まれます。胆汁酸はミセル(下図1)というものをつくって脂肪を水に溶けやすくします。脂肪は胆汁酸のおかげで腸管から吸収され、無事、血管の中に入れるようになります。 胆汁酸は、肝臓で作られ胆液として排泄され、お役目が終わったあとは、小腸から門脈という特殊な血管に流れ込み肝臓に戻り、再び、胆液として腸管に排出されます。(腸肝循環、下図2)。このように胆汁酸はペットボトルのリサイクルのように肝臓と小腸でぐるぐる再利用されているのです。しかし、胆汁酸のリサイクルがうまくいかないと、腸管にとどまる胆汁酸が増え、行き場がなくなった胆汁酸は大腸に出され、前述の酸化マグネシウムのように下痢を起こします。

グーフィスはこのリサイクルを止めて便を柔らかくします。ところで、細胞は下記(図3)のような膜でおおわれています。分子量や水溶性の高低によって膜を通れる物質と通れない物質があります。通れない物質の場合、以下のような扉(トランスポーター)の開閉によって出入りがなされます。グーフィスはこの扉を閉めて、胆汁酸が門脈に行くことを阻害し、(図2の赤の部分を止める)、大腸に流しだすことで便秘を解消します。


図1:ミセル

図2:胆汁酸の腸肝循環

図3:トランスポーターを阻害するグーフィス

参考文献

稲津正人、基本概念II、イオンチャネルとトランスポーター

図1:https://aburano-hanashi.kuni-naka.com/2457からの抜粋

図2:小西孝宜ら、外科と代謝、栄養47(1)からの抜粋


便秘の薬 その1

咳の風邪が流行っています。咳の薬を飲んで以来、便秘がちな患者Aさん。牛乳を飲んで散歩して無理やり下痢を起こさせているとのこと。一般薬の酸化マグネシウムを勧めました。
便秘や痔で便をやわらかくする必要があるときにお医者様がまず処方するのは酸化マグネシウムです。
酸化マグネシウムは軟便剤として使われます。
腸内では難吸収性の重炭酸塩又は炭酸塩となって緩下作用を現します。
これらのマグネシウム塩が血液から水を吸い出し下痢を引き起こします。きわめてシンプルで古くから使われているお薬です。

https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/opmNU からの抜粋