ステロイドパルス療法って何?

お薬手帳に入院時の処置が記載してあることが多くなってきました(退院時指導書)。発展途上の私には、薬局では処方されない注射液の名前もあり、勉強させていただく機会が増えます。そんな中、患者様とのお話でステロイドパルス療法が出ました。

(患者様)ステロイドパルス療法(以下、パルス療法という。)って何?

(私)(調べます。。)

一般的に治りにくい炎症性疾患に対する治療法です。パルス療法は、1日500mg~1gのステロイドを3日間連続で点滴するのを1クールとして、疾患によって1~3クール行う治療法です。多量のステロイドパルス終了後はステロイドの内服を行い、ゆっくり減量していきます。

(患者様)経口とどう違うのですか?

(私)パルス療法の最大の特徴は大量のステロイドを使用することにあります。多発性硬化症急性憎悪治療時のメチルプレドニゾロン(以下、MPという。)を例にとると、パルス療法に用いられるMPは、プレドニゾロン換算1回に1250mg投与します。これに対して通常の経口ステロイド療法では最大1回に20~30㎎、1日あたり60~120mgです。

利点としては、①通常ステロイドが移行しにくい部位でも十分なステロイド濃度が得られること。②ステロイドはステロイドレセプターに結合した後、標的遺伝子の転写活性を増減させることにより効果を現します。その際ステロイドとレセプターの結合が律速段階になります。以下の図のように、点滴投与後の血中濃度は経口投与と比較し、約100倍となり、レセプターをより飽和に近い濃度に保つことができることがあります。

医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書からの要約、図は抜粋

(患者)どんなとき使うのですか?

(私)パルス療法の適応については、ソル・メドロール静注を例にとると、急性循環不全(出血性ショック、感染性ショック)、腎臓移植に伴う免疫反応の抑制、治療抵抗性のリウマチ性疾患などの治りにくい炎症性疾患があります。ちなみに英国では幅広いステロイドの効能に対して、必要に応じ医師が高用量を静注することが可能となっています。