介護グッズ紹介―消臭敷ベッドパッドー

患者様のご家族から以下の質問があった。

家族が時々夜中に失禁してしまう。テレビショッピングで消臭敷パッドをお手頃価格で買ったところ、尿のにおいが漂わなく、お手入れも水洗いするだけで外に1時間も干せば乾く。いったいどんな繊維でつくられているのか知りたい。

製造元に聞いたところ、担当者から回答をいただきました。①表側:綿100%、②裏側:綿100%、③中綿:機能性綿の一つである消臭わたを採用とのこと。

そこで、消臭わたを調べてみました。特許の関係で詳細はわからなかったのですが、例えばA社の機能性わたの場合、汗臭・加齢臭の原因である、酢酸、イソ吉草酸、ノネナール、アンモニアを消臭する消臭剤をアクリルポリマーとアセテートポリマーに練り込み、アンモニア等を吸着、中和させるとありました。においの元を分解させるのではなく、取り込ませて洗濯の際に流すという工夫がされているようです。

患者様のご家族は、「機能性繊維を使うと、もちろん家族の介護時間も短縮できますが、それよりも敷パッドを洗っている時間に患者様がテレビを見る、散歩に行くなどそんな時間が増えた。」とおっしゃっていました。そして何よりも安い。汗をかきやすい成長期のお子様や生理中のにおいが気になる女性にもいいようです。ヒートテックなど機能性繊維で重宝している私たちですが、介護の分野にも応用が拡がっているようです。日頃新薬ばかりに目がいきがちですが、患者様の日常の過ごしやすさをサポートする技術の向上にも目を見張るものがあると実感した日でした。

おしっこが出にくくなる話ー前立腺肥大と酔い止めとの関係ー

今度は尿が出ない話。

質問:前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬を処方されている80代男性の患者様。旅行に行くので市販の酔い止めを買ったところ、前立腺肥大の診断を受けた方は服用しないようにとの表示があったので返品した。私がのめる酔い止めはありませんか?

答え:酔い止め薬を調べてみましたが、すべての薬に同様の記載がありました。

質問:ではなぜ酔い止めをのんではいけないのでしょうか?

答え:前立腺肥大とは以下の模式図(引用はこちら)のように、前立腺が肥大することで排尿が困難になる疾患です。一方、酔い止めは、副交感神経を遮断することで吐き気やめまいを抑えますが、副作用として排尿に関しても抑制的に働いてしまいます。そのため前立腺肥大の患者様は排尿がより困難になります。よって服用してはいけないという指示が出ているのです。

参考までに酔い止めに含まれる主な成分を示します(引用)。副交感神経遮断薬はどの薬にも含まれていました。抗ヒスタミン作用の薬(マレイン酸フェニラミン、ジフェンヒドラミン)も副交感神経を遮断するので前立腺肥大の患者様には禁忌の記載がありました(添付文書より)。


箸が転がってもおかしい年ごろの尿もれ―笑い尿失禁―

「箸が転んでもおかしい年ごろ」とはよく言ったもので、思春期の女の子はとにかくよく笑います。

小学校高学年の患者様で大笑いするとおしっこがもれてしまう。泌尿器科を受診しましたが、コントロールができないという相談を受けました。このような尿もれは「笑い尿失禁」と呼ばれています。英語版の wiki に giggle incontinence の項目があり、これに該当するものと思われます。相談を受けた女の子の場合は、膀胱が空になるまで排尿してしまうので尿の量が多く、ご本人も大変気にされていました。

 

”「giggle incontinence(ギグル・インコンチネンス)」、これを「笑い尿失禁」と訳すようです(giggle: くすくす笑う)。思春期の女の子に多い悩みで、外来でもときどきご相談があります。

笑った時に腹圧が加わるから腹圧性尿失禁1)の一種かというと、そうではなく、感情の抑制がとれて、膀胱の勝手な収縮(不随意収縮)が引き起こされる、過活動膀胱2)の特殊な形と考えてよいようです。

過活動膀胱の治療薬はありますが、ときどきのことでしたら吸水ライナーなどの対応でよいと考えます。大人になると笑い方が変わって、自然に良くなる可能性大です。”

みんなの尿もれ相談 http://www.nyoucare.jp/counsel/242.html

 

その患者様は、当薬局にあったチャームナップを使われていたようです。高校生活も中盤になり、箸が転んでもおかしい年ごろも過ぎ、笑い方も変わり、その後症状は出ないようです。

1) 腹圧性尿失禁とは:女性の正常な身体では、おなかに強い力(腹圧)がかかった場合、「骨盤底筋」という筋肉が膀胱と尿道を支えることで、尿道が締まり、尿が漏れるのを防いでいます。この骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることによって、尿道をうまく締められなくなり、尿もれを起こす病気です。つまり、尿を止める筋力が弱って尿もれを起こすのです。

2)過活動膀胱とは:過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気です。過活動膀胱には、脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のやりとりのトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものがあります。

引用はこちら