【在宅訪問】慢性疾患と急性疾患

在宅患者Aさん(70代、女性、独居)は、足の動きがゆっくりになり(運動緩徐)、足が一歩前に出なくなり、よちよち歩きになり(随意運動の開始ができにくい)、在宅を希望された。現在検査中である。ミーティングで医師が神経変性疾患という言葉を発していた。

神経系に影響を及ぼす主な疾患として、アルツハイマー病、脳性麻痺、うつ病、てんかん、パーキンソン病、統合失調症、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、多発性硬化症、脊髄性麻痺がある。この中で解剖学的に変性と認められるもの、機能的でなく器質的(身体組織上)問題がある疾患を神経変性疾患という。例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病である。アルツハイマー病はβアミロイドの脳神経細胞への沈着が一つの原因と考えられ、パーキンソン病は、黒質ニューロンの変性である。図1に変性から細胞死(自殺)に至る過程を示す。

Wikipediaによるとそもそも神経変性疾患に関して普遍的な定義はなかったが、昨今発症機構が分子レベルで解明された結果、関連する蛋白質の構造異常や凝集が神経変性の病態の根底にあり、「蛋白質の蓄積病」という共通メカニズムが存在していることが明らかになったようだ。

神経系障害は時間をかけて神経細胞死(自殺)に至る。前回の記載した脳梗塞は数時間~数日単位で急激に神経細胞が死ぬ急性疾患であった。神経変性疾患は進行性の慢性疾患である。在宅訪問時は慢性と急性を常に留意して患者様に接していきたい。

図1 病的な基底核ニューロンは自殺するか

神経科学 西村書店からの引用

上記の記載は経験上に基づくもので患者様は架空の人物です。