【薬局製剤】ヒドロコルチゾン・ジフェンヒドラミン軟膏を作りました

薬局製剤ヒドロコルチゾン・ジフェンヒドラミン軟膏を新しくラインナップしました。

基剤の白色ワセリンは黄色(右)ですが、練ると白色(左)になります。少々べたついていますが、においがありません。

既存の薬局製剤かゆみ止めよりも活性のある炎症剤(ヒドロコルチゾン)が入っています。

 

薬局製剤イオウカンフルローションーデリケートゾーンにもー

戦前、薬を調合していた時代から使われていた薬局製剤。国が認定した一種の民間薬。当薬局では480品目の中から、皆様のお役に立てそうな5品目(こちら)を選んで取り扱っております。その中でもイオウカンフルローション(以下、イオウカンフルという。)を選んだ理由は、ニキビで悩んでいらっしゃるお子さんやお孫さんをお持ちの患者様が多かったからです。

イオウカンフルローション:主要成分は、角質軟化作用を持つイオウと鎮痒、局所刺激のあるdl-カンフル

最近、患者様から、陰部や脇にできたにきびの痛みやかゆみにも効くよと言われました。

60代男性。タクシーの運転手さん。

ずっと座りっぱなしなので陰部にニキビ(以下、湿疹という。)ができるときがある。当初、頭に使っていた。奏効があったので、陰部の湿疹に使ったところ、かゆみが取れた。

10代前半女性。

陰部のかゆみで婦人科受診。

キンダベート軟膏0.05% 5g

エンペシドクリーム1% 10g

1日2,3回陰部にぬる。

検査結果が出るまで上記を処方されたが、かゆみが収まらず耐えられない。処方医に連絡して、イオウカンフルを塗ってもよいか聞いたところ、差し支えないとの回答があった(後日、皮膚面だけで、粘膜面、目の周りは塗らないよう言われた)。イオウカンフルでかゆみは収まる。結局、一週間後完治。病名はカンジダ、尋常性ざ瘡(にきび)であった。

陰部のかゆみ、にきび、湿疹は相談しずらいものです。個人差はありますが、ストレスや疲れでできやすい体質の方など悩まれている方も少なくありません。お医者様に診てもらうほどではないときに、自分に合った薬があるのが一番です。

民間薬がすべてよく効くとは限らず、見極めは必要ではありますが、こんなシンプルなものが効くことがあります。薬局製剤は、製剤許可を取った薬局でしか販売できません。どうかご相談くださいませ。


 

薬局製剤裏話3

  • イオウカンフルローション

これのめばいいの?

と患者さんに聞かれた。確かにレモンジュースのように美味しそう。まさにヒヤリハット。こう言ってくる人がいるとは思いもよらなかった。添付文書をつけていてもこの有り様である。

先日、座薬を出したとき

これのめばいいの?

と言われた。

薬を渡す側からすれば、座薬は肛門に注入するのが自明であるが、患者から見れば、外用薬と書いてあっても、飲み薬と座薬の違いは見た目だけではわからないのであろう。

薬局製剤のラベルは自分たちでつくるので、経験をもとに工夫を凝らしていかなければならないだろう。

薬局製剤裏話2

汗止めの薬局製剤

塩化アルミニウム &ベンザルコニウム液 あせしらん

知人に勧めたところ、汗を止めるなんて怖いといわれた。

実際に使ってみた。

サウナ(ホットヨガ)で、両脇にスプレー1噴霧した。普通は一時間レッスンを受けると、汗がボタボタおちてウエアはぐっしょりぬれる。しかし、噴霧後30分間は脇は汗ばむ程度。脇以外の部位からはボタボタ汗が落ちる。30分後は普通に脇から汗が出てきた。

皮膚科の先生に聞いたところ、アルミニウムが汗腺にふたをするので汗が出にくくなる。でもすべての汗腺にふたをすることは不可能。お風呂に入ればアルミニウムは全部落ちるとのこと。

加齢臭の予防にもきくのだろうか?臭いのもとは汗なので。男性で加齢臭の相談を受けることがある。

薬は用量をきちんと守って使いましょう。

 

薬局製剤裏話

薬局製剤の製造は、グラム単位で混ぜていくだけの作業である。全量100ml,gのレシピ。試作は三回行う。一回つくる。二回つくる。三回目で販売する容器にいれ、近くにいるヒトに使ってもらう。そしてラベルをつくって販売。

苦労したのはGLPZ液。スプレー容器を使ったのだが、酸化亜鉛がつまる。出ない。こぼれる。でもスプレーにはこだわりたい。

時間がかかるのが、イオウカンフルローション。「ヒドロキシプロピルセルロース(懸濁剤)を水に溶かす。」とレシピに記載してあるが、セルロースがなかなか水に溶けない。きちんと溶解せずにつくると、イオウが固まり振っても懸濁液にならない。湯煎してかき混ぜ棒で無理矢理溶かす。でも溶けない。一晩放置。やっとの思いで調合しても、イオウの浮遊がなくなるまでまた一晩放置。イオウが溶けてだんだん黄色くなっていくのを見るのは楽しいが、何とも手のかかるローションである。試作6回目にしてようやく成功。

下はイオウカンフルローション。左が朝用で上澄みを使い、右が夜用で懸濁液を使います。

薬局製剤とは

薬局製剤とは、医師の処方せんなしで調剤できる薬のことです。厚生労働省の指針(レシピ)にしたがってつくります。現在、480品目が収載されています。半分以上は漢方です。勝手に香料、着色料などを加えたり、成分を抜いたりすることは許されません。

昨今、複雑な作用機序をもつ薬ががたくさんありますが、私たちは昔ながらのシンプルな材料、効き目に注目しました。例えば、かゆみならジフェンヒドラミン、ニキビならイオウなど。

普通の薬局やドラッグストアでは販売していない薬です。先祖代々日本人が使ってきたシンプルな効き目をどうぞお試しください。