【在宅医療】飲酒を続けてもいいですか?ー不眠ー

アルコールを長期に飲まれている在宅患者Aさん(50代、男性)。

X月1日:不眠を訴え、ニトラゼパム錠5mg、1錠/日、分1就寝前、14日分が処方された。

(Aさん)飲酒を続けてもいいですか?

(私)このお薬とアルコールを併用すると、お互いの作用が増強されます。また、アルコールとの併用で薬の副作用も増強されます。その結果、中枢神経抑制(脱抑制、興奮)、血圧低下、知覚運動失調などが現れることがあります。このお薬単独では安全性が高いですが、アルコールと併用すると作用が倍になり危険なことがあります。アルコールの併用はお避け下さい。

(Aさん)この薬の副作用は何ですか?

(私)耐性、依存、ふらつき(筋弛緩作用)です。漫然と服用すると耐性が出て増量が必要になります。また、使用後最短4週間で依存性が形成されます。

(Aさん)ニトラゼパムと似た薬には何がありますか

ニトラゼパムはベンゾジアゼピン系と総称されています。ベンゾジアゼピン系にはソラナックス(コンスタン)、ランドセン(リボトリール)、メイラックス、ワイパックス、レキソタン、セルシン(ホリゾン)などがあります。睡眠薬以外に抗不安薬としてパニック障害の治療に用いられたり、抗てんかん薬として用いられます。ベンゾジアゼピン系はすべてアルコールとの相互作用があります。

参考までに作用機序下記に示します。脳にはGABAという神経伝達物質があります。GABAが伝達する情報は抑制作用であり、脳に睡眠や安定などの鎮静作用をもたらします。GABAを鍵とすると、それがはまる鍵穴(GABA受容体)があります。ベンゾジアゼピンはこの穴にはまることで鎮静物質GABAの作用を強めます。さらにアルコールもこのGABAの鍵穴の一部にはまるため、GABAの効果を強めます。競合的に一つの鍵穴を取り合うわけではありません。だからベンゾジアゼピン服用中にお酒を飲むとベンゾジアゼピンの作用が強められたり、お酒の酩酊作用が強まるのです。

図は神経科学、西村書店からの引用

上記の記載は経験に基づくもので患者様は架空の人物です。

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