血栓ってどうやってつくられるの?(せん断応力とは)

つづき

血をかたまりにくくする薬リクシアナを飲んでいる患者様からの質問。

(患者様)薬で血栓を作りにくくすることはわかりました。そもそも血栓ってどうやってつくられるのですか?

(私)メカニズムの詳細は分かっていませんが、血栓は「せん断応力」が大きいと作られやすくなります。

(患者様)せん断応力って何ですか?

(私)せん断応力については、以下第99回薬剤師国家試験(正解は5)製剤分野にも出ています。

せん断力は図1に示すようにZ軸方向に距離のある物体に対して、X軸方向に一定の力をかけた時、XY方向の断面積Sにかかる力です。

上の図のように平板A、Bの間に液体を満たします。平板Aを固定して、平板Bをv3で動かすとします。速度が一次元的に増加するとき、速度の傾きをせん断速度(D)と言います。上の図のせん断速度はv3/l(s-1)となります。

せん断応力(τ)は、せん断速度に係数をかけて下記の式で表されます。この係数を粘度と言います。引きずられる速さが大きいほど引きずられる具合も大きくなります。

τ=μ・D

(τはせん断応力(Pa)、μは粘度、Dはせん断速度(s-1))

実はこのせん断応力は血液にも応用出来る場合もあります。血管内では、赤血球は中心部を比較的早いスピードで流れ、血小板や白血球は血管壁を遅いスピードで流れます。血管は粘つく性質(粘度)を持っているため、この速度の違いと粘っこさによって血管の中でせん断応力が発生する場合があります。血管壁の近くと移動している血小板は、特にこのせん断応力にさらされ、その力が血栓ができるのにかかわっています。

 

血栓形成を抑制する、せん断速度は1700/秒以下とされています。

体の中のさまざまな血管の種類におけるせん断速度は以下のようになっていると言われています。

せん断速度<1000 /秒 – 静脈、大きな動脈

せん断速度1000〜10000 /秒 – 動脈狭窄の領域

せん断速度> 10000 /秒 – 深刻な血管狭窄

血小板凝集の調節における血液レオロジーの重要性より抜粋

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

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