糖尿病注射トルリシティはなぜ一週間きくの?患者様からの質問を踏まえて

トルリシティ(遺伝子組み換え)

糖尿病注射製剤には、大きく分類して、①インスリンそのものもしくはインスリンと同等の作用をするインスリンアナログ製剤と、②間接的にインスリンを分泌させるインクレチン(インスリン分泌ホルモン)の一種であるGLP-1受容体に作用するGLP-1製剤の2種類がある。トルリシティは、後者に属する。GLP-1は、膵臓β細胞からのインスリン合成と分泌を盛んにさせるインクレチンホルモンである。よってⅠ型糖尿病には使用されない。最近になり、この作用に加え、β細胞を増殖させる作用があるとFuscoらが報告している(Fusco.J et.al., Scientific Reports, 2017)。

内服においてもGLP-1 の働きを失活させるDPP-4 を阻害する薬(ジャヌビア等)は、従来のSU剤、ビグアナイド剤等と比較して使用頻度は高く、わが国で一番処方が多い糖尿病製剤となっている。

トルリシティはインクレチン(インスリン分泌ホルモン)の一種であるGLP-1とヒト抗体を組み合わせた構造を持っている。ちなみにビクトーザはGLP-1とパルミチン酸を組み合わせている。

・トルリシティ(遺伝子組み換え)の“遺伝子組み換え”って何?

薬としてより良い効果を示すために、分解の抑制、溶解度の改善、免疫原性の低減を目的にGLP-1の5か所のアミノ酸を天然のものとは異なるアミノ酸に置き換えてある。アミノ酸は遺伝子を設計図としてつくられるので、設計図を変更している。これを遺伝子組み換えという。

・なぜ、一週間効くの?

ヒト抗体をつけて排泄を遅延させている。GLP-1に分子量の大きなヒト抗体を結合させることで腎排泄を受けにくくなっている。そのためにヒトの体内に長くとどまることができる。

  • 皮下注でも膵臓にきちんといくか?

健康成人にデュラグルチド(トルリシティの一般名)0.75mgを単回投与したときの絶対的バイオアベイラビリティ(製剤がどれだけ血中に入るかの指標)は65%であった。添付文書によれば、血中濃度が有効な濃度になっていることから、膵臓へ作用することは明らかである、としている。

 

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